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むし歯

　C0・C1むし歯は、むし歯 ■ が神経のない歯の表面のエナメル質内 □ にとどまっているため、ほとんど症状はありません。定期的な検診とフッ素塗布や生活指導などで経過観察をしてゆきます。

　現在日本では（特に子供の）むし歯の本数は激減しています。家庭での口腔管理と歯科医院での定期健診で、ほぼむし歯は予防できるということです。できればこの状態までで生涯過ごしていただきたいですね。

　再石灰化という言葉を聞かれたことがあるかもしれません。むし歯になった歯が健康な状態に戻る現象なのですが、これが起こるのはC1むし歯までです。

　冷たいものがしみだすC2むし歯は、むし歯が神経のある象牙質 ■ まで進行してしまっています。むし歯を除去した後、詰め物・かぶせ物をすることになります。再石灰化が起こることはありませんので、むし歯で欠損した部分は人工の材料で補わなければならないからです。

　C2むし歯は、小さなむし歯に見えても、内部で大きく広がっている場合があります。これは歯の表面のエナメル質はとても硬く、むし歯菌もなかなか溶かすことができないのですが、その下にある象牙質はとても柔らかいため、小さな穴からエナメル質を貫通したむし歯菌は、象牙質に侵入すると容易に大きく広がってしまうからです。

　熱いものがしみだしたり何もしなくても痛み出すC3むし歯は、むし歯菌が歯の神経に侵入した状態で、神経の治療が必要になります。この段階になると、治療の回数も費用もかさむことになります。むし歯がいきなりこの状態になることはありませんから、遅くともC2むし歯までには歯科医院を受診するようにしてください。

　C3むし歯でも神経を保存できると謳うMTAセメントや3mix治療について質問される患者さんがおられますが。これらの治療は、C2むし歯を治療中に偶然神経が露出してしまったような特殊なケースのみです。痛みや腫れがあるような進行させてしまったむし歯は対象ではありません。またこれらの治療は、保険外診療となります。

歯周病等

健康な歯肉

歯肉炎

軽度歯周病

重度歯周病

　むし歯と違い歯周病・歯肉炎は自覚症状を現しにくい病気です。歯肉からの出血や口臭などの初期症状で来院される方は少数派です。歯が揺れるとか食事で痛むといった症状はかなり進行した状態です。

　歯の動揺度が増してくると、最終的に歯は抜けてしまいまったり、抜歯しか治療法がなくなってしまいます。むし歯のない歯でも、歯を支える顎の骨が溶けてしまっては歯を保存することはできないのです。建物に例えると、地盤沈下で倒壊してしまった状態です。

　歯周病治療で最も重要なことは、毎日のブラッシング（歯ブラシ・歯間ブラシ等）です。これができていなければ、歯周病治療の効果は上がりません。多くの方は「歯ブラシはちゃんとしてるよ」と言われますが、正しい方法で歯ブラシをされている方は少数です。
　磨いている と 磨けている は違います。自己流歯磨きをされている方は、一度歯科医院で指導を受けられることをお勧めします。

　歯科医院で行う治療としては、歯石取りや歯のクリーニングが中心となります。歯周病の原因となる細菌の塊である歯垢や歯石を除去し、新たに汚れがつきにくくするように歯の表面を磨きます。

　歯肉炎や軽度の歯周病ならば、多くの場合麻酔なしで歯石取りをすることができます。
中程度以上に進行してしまった方は、麻酔をしての歯石取りが必要になることがあります。

　歯周病は細菌が大きな原因と書きましたが、それ以外にも歯周病の要因となるものがあります。最近注目されているのは、“歯ぎしり・食いしばり”です。

　歯ぎしり・食いしばりは、歯周病以外にもむし歯・顎関節症・歯のひび割れ・原因不明の疼痛に関与していると言われています。ストレスといった要素が強いので、治療は難しくなります。大事に至らないうちに、噛みしめ予防のトレーニングやマウスピース治療等を行います。

　歯周病は生活習慣病にも強く関係しています。代表的なものは、糖尿病です。糖尿病がしっかりとコントロールされていなければ、歯周病は進行しやすくなります。その逆に歯周病に改善があると、糖尿病にも好影響を与えます。その他、心臓病などの血管系の病気にも歯周病は大きく関係しています。

　それから、タバコ！タバコは歯周病の増悪因子だけでなく、多くの病気の原因になりますから、禁煙されることをお勧めします。

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